経営改善計画書で融資の回収を防いだ事例

経営改善計画書の作成により融資の回収を防ぐことが出来た事例をご紹介します。

経営改善計画書で融資の回収を防いだ事例

建設関連業を営むB社様より、「銀行から追加担保の差し入れ、もしくは借入の一部返済を打診されている。突然差し押さえなどされないか心配だ。」との相談がありました。

B社の概要
  • 年商:         約400百万円
  • 利益:    直近営業赤字 約20百万円
  • 債務超過額:      約100百万円
  • 借入総額:       約200百万円

※借入は保証協会の保証と不動産担保にて調達。
※資金繰りが厳しいためリスケを申し込み、現在は金利のみの支払い。

2期連続で大幅な赤字を計上しており、今期も赤字にて推移中のところ、銀行の担当者から冒頭の話があったとのことです。

業績が悪化した時の銀行対応を熟知している社長様は多く無いでしょう。銀行の担当者が発する言葉の背景が分からないため、つい余計なことを想像してしまいます。B社の社長様も、不安で夜も寝られないご様子でした。

本件の対応方法を解説します。

1:まず、契約の内容について理解しましょう。

条件変更契約は立派な契約ですので、(たとえ利払いのみでも)契約の履行中は差し押さえなどの強硬な回収はできません。ご安心ください。

2:銀行が追加担保の差し入れや借入の一部返済を迫ってくる背景を理解しましょう。

本件に至った原因は、B社様の銀行格付が下がったことにあります。格付が下がると、銀行はB社様に対する貸出のうち、保証協会の保証や不動産担保で保全されていない部分について大幅な 引当金を積む必要が出てきます。銀行の本当の目的は、決してB社の融資を回収することでは無く、引当てを免れることです。
銀行員はそのあたりの背景を説明しませんが、相手の目的がわかればそれ以上の心配をする必要はありません。

3:具体的な対応策は以下になります。

銀行の依頼に従って追加担保を差し入れたり、一部返済を行ったりしなくても、事業計画書(経営改善計画書)を作成することで解決できました。
B社の社長様は、計画書など何の意味も無いと考えておられましたが、B社様に意味は無くても、銀行にとっては大変な意味があります。銀行は、経営改善計画書があれば格付を下げなくて済むからです。格付が維持できれば、銀行は引当金を積む必要がなくなり、B社に対して融資の回収を迫る必要も無くなります。
経営改善計画書はB社と銀行をWINWINの関係にします。

経営改善計画書の策定については、いくつかのポイントがあります。お気軽にご相談ください。