vol.520【お役立ち情報】 業務改善助成金について

…10月の最低賃金改定にあわせてご検討ください。

業務改善助成金は、事業場内の最低賃金と地域別最低賃金の差が30円以内の中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成してくれるものです。
先般、中央最低賃金審議会の小委員会で2022年度の最低賃金の目安を全国平均で時給961円とし、前年度比で過去最大の31円の上げ幅となることが決まりました。
今後、この目安をもとに各都道府県の審議会で地域ごとの最低賃金が決められ10月ごろから適用されます。
この改定により、これまで最低賃金との差が30円超のために対象とならなかった中小企業等もこの助成金を活用できるようになるかも知れません。ご検討ください。

概要をみておきましょう。

■対象事業場

以下の中小企業の事業場が対象となります。
(1)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が30円以内
(2)常時使用する労働者の人数が100人以下

■支給要件

主な支給要件は以下のとおりです。
(1)業務改善計画と賃金引上計画を策定して労働局に申請し、申請後に賃金引き上げを行うこと。
(2)生産性向上に資する機器・設備等の導入により業務改善を行い、その費用を支払うこと。
(3)解雇、賃金引き下げ等の事由がないこと。

■助成率および助成額

1.助成率
対象となる設備投資等にかかった費用に対して、事業場内の最低賃金の金額によって以下の助成率で支給されます。
※(  )内は生産性要件を満たす場合の助成率です。

  • 事業場内最低賃金が900円未満の場合:4/5(9/10)
  • 事業場内最低賃金が900円以上の場合:3/4(4/5)

2.助成額
事業場内で最も低い賃金に対する引き上げ額により、30円、45円、60円、90円のコースがあり、それぞれのコースで賃金を引き上げる労働者数によって30万円から600万円の上限額となります。

◇60円コースの場合の上限額

  • 賃金引上げ人数が1人の場合:60万円
  • 賃金引上げ人数が2人から3人の場合:90万円
  • 賃金引上げ人数が4人から6人の場合:150万円
  • 賃金引上げ人数が7人以上の場合:230万円
  • 賃金引上げ人数が10人以上の場合:300万円
    ※10人以上の場合の上限額は、コロナ禍の影響を受けて前年または前々年比較で売上等が30%以上減少している事業主と、事業場内最低賃金900円未満の事業主が対象です。
■対象となる設備等

生産性向上のための機械設備、POSレジシステムの導入等の他、人材育成・教育訓練費や経営コンサルティング経費が対象となります。
※人材育成・教育訓練費は、業務内容に関連し、労働者の賃金引上げに効果的と認められるものが対象で、助成対象経費の上限は50万円となります。

詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html