vol.651【経営コラム】イノベーションの起点は物真似です。
…良い物真似4つのセオリー!
◎物真似をするための努力が足りていません。
■はじめに
物真似をするための努力が足りていません。
多くの場合、既存のアイデアや技術を真似ることからスタートし、そこに新しい要素や改良を加えて独自のイノベーションを生み出しています。このプロセスは、技術や芸術、ビジネスの様々な分野でも鉄板のセオリーです。新しいものを創造するためには、まず既存のものを理解し、それを基にしてさらに発展させることが重要です。
■良い物真似4つのセオリー!
多くの人の物真似は不十分です。真似るなら徹底的に真似てください。
以下では、不十分な物真似と目指すべき物真似像を比較して解説します。
1.表層的な物真似(二次元の物真似)はダメです。
モノの本質を視ずに、表層的な部分のみを真似るとうまくいきません。
◆〔セオリー1〕事の本質を視る(三次元の物真似)
・奥行、深み、弱点も知ったうえで真似ることが重要です。三次元的に視てください。
2.静止体として視る物真似
あるタイミング、時点のみを視て真似るとうまくいきません。
◆〔セオリー2〕時系列に視る物真似(動態の物真似)
・過去、現在、未来、流れを視て真似ることが重要です。時系列で視てください。
3.偏った物真似
ある事例だけを鵜呑みにする物真似もうまくいきません。再現性に難があります。
◆〔セオリー3〕俯瞰性のある事例の物真似(俯瞰)
・相当数の事例を把握した上での物真似が必要です。再現性を確認してください。
4.盲目的な物真似
単純に他者のアイデアや製品をコピーするだけで、オリジナリティーや追加価値がない物真似はすぐに限界が訪れます。
◆〔セオリー4〕物真似+差別化(差別化)
・物真似に何を付加するか、この前提を踏まえて物真似することが重要です。どう差別化するかが最終目標です。
■真似るための情報は巷にあふれています。
●ネットサーフィン
●YouTubeなどのSNS
●書籍
●上場会社の開示情報(有価証券報告書)
仮説や目標もなく闇雲に情報収集に当たっても、その多くは単なる雑学の収集であって経営にはほとんど役に立ちません。何を見つけたいのか、この仮説の設定が必要です。
●ググル、検索する
仮説を持てば、その仮説に近そうな言葉で検索してみましょう。玉石混交ではありますが、間違えなくお宝情報が見つかります。最近はYouTubeがお勧めです。相当詳しく知ることができます。
●書籍
仮説に近い書籍を捜せばたくさんの書籍が見つかります。
●上場企業の情報
上場企業が発行する有価証券報告書はビジネスのヒントが満載です。真似たい会社を選んでHPのIR情報からダウンロードできます。
便利な時代になりました。誰でも簡単に情報にアクセスできるようになり、情報格差は小さくなりました。一方、その利用の仕方は様々です。皆さまには、物真似のためのツールとしてご利用いただきたいです。
◎イノベーションの起点は物真似です。物真似をするための努力を積みましょう。