vol.611【経営コラム】下請等中小企業の取引条件改善に関する取り組み

…日本の中小企業セクターの競争力向上施策

支持率が最低レベルまで凋落している岸田政権ですが、重点施策として掲げた下請け対策には力点を置いておられます。この日本の中小企業や下請け事業者の取引条件改善に関する取り組みは、経済の健全な成長と中小企業の持続可能な発展を支援するために非常に重要です。以下に、岸田政権が実施した主要な取り組みについて解説します。

■1. 価格交渉の促進

岸田政権は、価格交渉の促進を通じて中小企業や下請け事業者の取引条件改善を支援しています。

  • 下請中小企業振興法に基づく「助言(注意喚起)」の実施
    政府は不公正な取引条件が発生した場合に、大企業と中小企業の間で価格交渉を促進するために助言や注意喚起を行います。これにより、取引の公平性が向上し、中小企業の弱みを補完します。
  • 価格交渉促進月間の設定
    政府は「価格交渉促進月間」を設定し、中小企業と大企業の価格交渉を積極的に推進しています。この期間中に、価格交渉の場を提供し、双方が合意に達するための支援を行っています。
  • 下請中小企業振興法の振興基準の改正
    政府は下請中小企業振興法の振興基準を見直し、中小企業の取引条件改善を推進しています。これにより、取引における公正なルールが整備され、不当な圧力から中小企業を保護します。

■2.パートナーシップ構築宣言の拡大

政府は大企業と中小企業の協力関係を強化し、パートナーシップ構築宣言の拡大に取り組んでいます。

  1. 宣言企業全社への調査
    大企業に対して、パートナーシップ構築宣言に関する調査を行います。これにより、宣言の実効性や実施状況を評価し、改善の余地を見つけます。
  2. 請取引企業への調査
    大企業との取引を行う下請け事業者に対しても調査が実施されます。これにより、大企業との関係が下請け事業者にどのような影響を与えているかを把握し、必要な対策を講じます。
  3. コーポレートガバナンスに関するガイドラインへの位置付け
    大企業はコーポレートガバナンスに関するガイドラインに則って経営を行うことが求められます。これにより、企業の透明性と責任が高まり、中小企業との信頼関係が築かれます。
  4. 補助金によるインセンティブの検討
    大企業に対して、中小企業とのパートナーシップ構築宣言を実施する際に補助金を提供することを検討します。これにより、大企業は中小企業との連携を促進しやすくなります。

■3.下請取引の監督強化

政府は下請取引の監督を強化し、不公正な取引条件から中小企業を保護するための措置を講じています。

  • 下請けGメンの体制強化
    下請けGメンは、不公正な取引に対する監督・指導を行う役員です。政府はこの体制を強化し、違反行為を取り締まります。
  • 商工会・商工会議所と下請かけこみ寺の連携
    商工会や商工会議所は、中小企業に対する支援体制を強化し、不公正な取引に関する相談を受ける役割を果たします。政府はこれらの組織と連携し、問題の解決を支援します。
  • 業種別ガイドライン・自主行動計画の拡充・改定
    下請け取引における業種別ガイドラインや自主行動計画が見直され、より効果的な取引条件改善が促進されます。

■4.知的財産(知財)関連の対応強化

知的財産に関連する問題に対処するため、政府は以下の措置を実施しています。

  • 知財Gメンの新設
    知的財産に関する専門家からなる知財Gメンが設置され、中小企業に対して知財に関するアドバイスと支援を行います。
  • 知財取引アドバイザリーボードの設置
    知財取引に関するアドバイザーボードが設けられ、中小企業と大企業の知財関連の取引における課題の解決を支援します。
  • 商工会議所や特許庁との連携
    商工会議所や特許庁などの機関と連携し、知財に関する情報提供やアドバイスを強化します。

■5.約束手形の利用廃止への道筋

政府は約束手形の利用を廃止するためのロードマップの検討を進めています。約束手形は取引における支払い手段として使用されてきましたが、これによる支払いリスクが中小企業に負担をかけることから、その廃止が検討されています。

以上の取り組みは、岸田政権の指導の下で中小企業と下請け事業者の取引条件を改善し、経済の安定と成長を促進するために実施されています。これらの政策は、日本の中小企業セクターの競争力を向上させ、持続可能な経済発展を支える役割を果たしています。